4839 WOWOWを私は割安だと思っている。
2010年11月19日現在、Yahoo! Financeによると、株価は、13.3万円であり、時価総額は、192億円。去年、2010年3月期の当期利益は45億円である。PERで4.3ほど、PBRも0.75。どの指標で見ても、割安中の割安である。
しかも、配当も出ており、配当利回りは2.24%でそこそこ。さらにWOWOW視聴者であれば、株主優待で視聴料が何ヶ月か無料になるという特典付きである。
現在の業績が続くと前提した場合、文句無しの割安であって、株価が3倍になってもなんら不思議が無い割安状態に放置プレイであるのだから面白い。きっと、市場がマザーズだから、大規模な機関投資家が買いに来れないのだろうと推測する。だいたい、業績が同じであると前提にした場合、PERで10倍ぐらいは固く、12倍ぐらいまでは十分な値と言える。だから、3倍ぐらいなのである。ここしばらく、赤字も出していない優良企業であると私は考える。
WOWOWの事業は、こういうことになっている。
昔、WOWOWの事業が冴えなかった頃の事業モデルは、デコーダーという黒い箱をテレビに一生懸命つけて、BSアンテナを設置してもらい、テレビで見るというもの。これがアナログBS時代のモデルである。接続は面倒であるし、デコーダーという黒い箱のコストはかかるし、画像は悪かった。
これが、昨今のデジタルテレビになると事情は一変し、まず、薄型デジタルテレビのほとんどにはBSチューナーがついている。BSはデジタル化され、デコーダー機能(暗号解除機能)はテレビに組み込まれている。つまり、薄型デジタルテレビユーザーはほぼすべて、視聴を申し込めば、WOWOWの視聴ができるようになるのである。この、顧客獲得にかかるコストの差はかなり大きいだろう。デジタルテレビの普及に応じて、コスト構造が劇的によくなったWOWOWの業績も向上したのである。
さらに、昨今の円高の影響もある。WOWOWというと、リーガエスパニョーラというスペインサッカー番組の放送で有名である。スペインのユーロも安くなったので、この調達コストは、円高で安くなっている。一方、収入面は日本円であるから、契約者数が同じであれば、収入が同じで、調達コストが安くなるのだから、当然利益も上がる。まあ、IRに問い合わせたところ、為替ヘッジをかけて、円のレートに関わらず、番組の品質を一定にしているというのだから、さほど大きな影響も無いのかもしれないが、少なくとも環境面ではプラスなのである。
という状況において、唯一のリスクは、アナログ放送の廃止で、アナログWOWOW契約しているユーザーのほとんどが、地デジの電波停止とともにBSアナログの電波も停止され、課金されなくなるというものである(注:WOWOW発表のアナログ契約者には、アナログCATV経由の視聴者数も含まれており、彼らは地デジ停波後も、WOWOWの課金ベースであり続ける)。これが、明らかな減収要因になるのだが、コストの方はあまり減らないということだったので、業績悪化リスクとしては、こういうものもあり得る。が、数としては限定的である。
不確定要素としては、アナログ停波とともに、3チャンネル化を本格化するということであったので、これがコストという意味でどっちにでるのかは疑問であるが、番組調達コストが3倍になることはないのだそうであり、顧客のリテンション効果が上回るのかもしれない。
かつてのWOWOWは、あほなメーカー出身の経営者がやっており、コンテンツビジネスを理解しないばかりか、くそみたいなデコーダーのシェア争いをしていて赤字が続くという会社の腐り用であり、ブラックな会社であったが、今は、NHKのOBが中心である。多チャンネル化のノウハウや影響、番組調達、有料課金ベースの商売の仕方などを、日本で最も熟知していると思われるのは、NHK出身の経営者であると思われ、これは正しい選択肢であろう。
という、企業が、東証マザーズという市場を選んでしまったという理由で、PER4.3という安値に放置されている。特に誰も証券アナリストのカバレッジもない結果、誰も注目しない。
需給をみると、さすがに現時点では信用買いが多く、売りが少ないので、どないなもんかと思うが、これはたいした規模でもない。あとは、大株主にテレビ局が多く、テレビ局があまり資本主義的な動きをしないので、なにすんのか分からない的な不確定要素がある。また、マザーズだから財務がインチキしているかもしれない疑惑はあるが、こちらは、財務諸表を見る限りは受け取れない(少なくとも、ライブドアのように露骨なファンタスティックな財務ではないのは確かである)
ということで、少なくとも、バリュー投資家に取っては研究対象になっても良いだろう銘柄であると私は思うが、いかがだろうか?
投資は自己責任でどうぞ。
※私は、この文章で、この個別銘柄の推奨を目的にはしておりません。買うべきだとも売るべきだとも言っているつもりはありません。この文章を見て、取引をしたところで、私はその取引で得た損失を賠償するつもりなど1ミリもございませんので、投資は自己責任でどうぞ。